病気の原因
病気の原因は大別して三つあります。弘法大師様は「秘密曼茶羅十住心論」に、病気の原因として、四大・鬼・業の三つを挙げています。
四大とは、四大の不調、即ち衛生環境や不摂生による肉体の不調に因って起こる病気で、医学の治療で充分です。
鬼とは怨霊です。怨霊の憑依によって起こる病気で、神道の「蒲穂之伝」、真言密教の「懺悔法」などの祈祷で怨霊鎮魂すれば治ります。ただし、 医学の併用が必要でしょう。病気の原因が、たとえ怨霊であったとしても、病気が既に発病してしまえば、医学の対症療法や外科治療が必要になってきます。 場合によっては、発病前から医学による対処が求められる事もあります。怨霊の怨みが深く、怨霊鎮魂に時間のかかる場合には、医学併用しておかないと 手遅れになって命取りともなりかねないからです。
また、神経系・内科系・精神科系の病気においては、祈祷の効果が即効的に出やすく、外科系の病気においては医学の力が不可欠です。ただ、たとえ外科系の病気であっても、怨霊という原因をそのままにして医学的治療を施すのと、 怨霊という原因を祈祷で解決してから医学的治療を施すのとでは、手術の成否・術後の経過・再発率等に違いが出ると思います。
業とは前世の悪行の応報として、怨霊の介在しない運命的にどうにもならない病気です。例えば疫病等がそれです。